龍子先生と現代のアーティストたちと共に
ファンタジーの旅へ !
川端龍子+高橋龍太郎コレクション
コラボレーション企画展「ファンタジーの力」(大田区立龍子記念館)の公式図録兼書籍 !
本書は、日本画の巨匠川端龍子と、精神科医で日本屈指の現代アートコレクターである高橋龍太郎氏のコレクションとのコラボレーション第2弾。さらにブックディレクター幅允孝氏が選ぶ本による三つ巴のコラボ本。
第1弾『川端龍子vs.高橋龍太郎コレクション―会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃―』は、川端龍子と現代アートを「vs.」として対にして見せるコラボレーションだったのに対し、本書は川端龍子と現代アートを「+」して融合させて見せるコラボレーション。
明治から昭和にかけて生きた川端龍子と、昭和から令和にかけて生きる23名の現代アーティストの作品たちが、時代を飛び越えて違和感なく溶け合っているのを見ると、これがまさにファンタジーだと感じる。高橋龍太郎氏が本書の冒頭で、「ファンタジーとは人間と動物も、そして人間と人間も霊的な近縁関係にあることを描き続けることである」、「私達は、ファンタジーの力を信じて、少しずつでも支え合って生きて行くしかないのだ」と書かれているが、これをアートで物語るのが本書。
この融合にさらにスパイスを加えているのが、ブックディレクター幅允孝氏がセレクトした104冊の本。アートの融合に本(文字)が加わることによって、別な視点が生まれ、相乗効果でファンタジーの世界は立体的に広がる。
本書は、幅氏が選んだ各章のテーマに合った本の書名・著者名・版元名のみの掲載だが、コラボレーションのさらに深い部分=融和に触れたいのであれば、104冊の本のなかから気になった本を手に取って、本書といっしょに楽しんでいただきたい。
アートと本は以前から友好的な関係だったことを思い出し、「ファンタジーの力」を大いに感じるにちがいない。
【出品作家】(五十音順)
川端龍子
青山悟、安藤正子、池田学、伊勢周平、大野智史、樫木知子、加藤泉、草間彌生、小林孝亘、さわひらき、杉戸洋、玉山拓郎、堂本右美、中村一美、奈良美智、名和晃平、西ノ宮佳代、西村陽平、町田久美、丸山直文、宮永愛子、目 [mé]、李禹煥(全24名)
<目次>
コラボレーション企画展 開催にあたって/津村正純
ファンタシューム・ナイト/高橋龍太郎
「魔法の世界では、イメージできないものは実現できない。」/児島やよい
ファンタジーの力――描くこと、物語ること/木村拓也
本が押すアートの背中/幅允孝
プロローグ ドラゴン・イヤーが過ぎて
第1章 旅立ち
第2章 そこにいるのは誰?
第3章 土と光、風の物語
第4章 夢の領域
第5章 海の物語
第6章 日々、物語はつづく~見慣れた光景、大切なもの
番外編 アトリエの異世界
エピローグ
高橋龍太郎コレクション出品作家解説
掲載作品リスト
企画・編集/木村拓也
編集/児島やよい
サイズ
B5判変型 並製本
ページ数
88頁(図版約85点)
【展覧会情報】
川端龍子+高橋龍太郎コレクション コラボレーション企画展「ファンタジーの力」
会場:大田区立龍子記念館
会期:2024年12月7日(土)~2025年3月2日(日)
※本書は本展の公式図録兼書籍です。