丸亀市猪熊弦一郎現代美術館にて開催された企画展「風景遊歩 sight-cruising」(2005年)のCD付カタログです。
展覧会は、「風景」をテーマに複数の作家の作品で構成されました。
こちらのカタログでは、香川県丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎の作品図版もご覧いただけます。
「風景」は時代や地域、また個人によって千差万別のイメージを持っています。つまり「風景」とは様々な感覚器官を通して知覚した事象を意識の中で組み立て直した、一人ひとりに固有のものであり、また個人の意識の現われとして様々に表現されています。本展は「風景」を多種多様に表現した作品を回路として「風景」について考え、「風景」を通してさまざまな世界を見、考えることへと誘うものです。「風景」という多様性の地平を遊歩(クルーズ)してみませんか。(展覧会紹介文より)
絵画・彫刻・写真・映像・サウンドアートなど、多様な表現手法に渡る作品郡は〈あたらしい風景〉〈みえない風景〉の2セクションに分けられて構成されています。作品を通して、限りない未知の世界を想起させられることで見えてくる〈あたらしい風景〉、そして意識や記憶などによって自己の内面に広がってくる〈みえない風景〉。身のまわりにごく当たり前にあるものだと思っていた「風景」というものの、新しい見方や見えていなかった部分に気付かされ、疑問や余韻を残すような深いテーマ性のある内容です。
カタログには、戦前から活躍していた画家から気鋭の現代美術家まで、国内外のアーティスト21名の見ごたえのある作品図版を掲載し、それぞれにテキストも併載しています。映像と音楽を用い、幅広いジャンルで活躍するアーティストである高木正勝のページには4作品を収録したDVDも付いている豪華仕様となっています。
〈あたらしい風景〉作家リスト(構成順)
高橋信行、香月泰男、牛島憲之、畠山直哉、秋岡美帆、野村仁、猪熊弦一郎、福岡道雄、柳幸典、やなぎみわ、曽根裕
〈みえない風景〉作家リスト(構成順)
高木正勝、中川幸夫、大岩オスカール幸男、猪熊弦一郎、アルフレッド・ジャー、ソフィ・カル、藤本由紀夫、小林孝亘、野口里佳、会田誠、小野博
(CONTENTS)日英併記(作品ごとのテキストは日本語のみ)
・あいさつ
・あたらしい風景-その先へとみちびくもの-(松村円)
・みえない風景-見えることと見えないこと-(中田耕市)
・参考文献
・作品図版
・出品作家略歴
発行:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館/公益財団法人ミモカ美術振興財団
◎丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
丸亀市の市制施行90周年の記念事業として、丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎の全面的な協力のもと1991年11月23日に開館しました。建築家の谷口吉生による美しい建築を丸亀駅前に構える当館は、猪熊本人から寄贈を受けた約2万点の猪熊作品を所蔵し、常設展で紹介するとともに、現代美術を中心とした企画展を開催しています。
サイズ
A4判、全80ページ、CD付