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エッシャー 不思議のヒミツ(展覧会公式カタログ)

エッシャー 不思議のヒミツ(展覧会公式カタログ)

トリックに迫る 謎解きの決定版

エッシャーは、グラフィックアートの想像的可能性を広げた点で評価される唯一無二の芸術家。現代アートのみならず過去の美術からもインスピレーションと影響を受けたエッシャーは、幾何学的な構成と厳密さを追求して、類まれな芸術作品を実現した。シュルレアリスムやオプティカル・アートなどの芸術的潮流を予見させる存在であったといえる。

本書では、エッシャーがサミュエル・イェッスルン・ド・メスキータに師事していた頃のアール・ヌーヴォーにインスピレーションを得た作品を手始めとして、イタリア滞在時代の作品を中心に掲載。本書は「エッシャーの不思議のヒミツ」を知る決定版といえる。同名展覧会の公式図録兼書籍として刊行。

●日英併記

<目次>
主催者あいさつ
メッセージ/フェデリコ・ジュディーチェアンドレア、マーク・フェルトハイゼン
数学からヒッピーまで:M.C. エッシャーの作品がたどった不思議な道程/フェデリコ・ジュディーチェアンドレア
エッシャーの版画技法/サル・アイアキンタ
日本におけるエッシャー受容の諸相─「エッシャー展」に寄せて/熊澤弘

【図版】
第1章 デビューとイタリア
第2章 テセレーション(敷き詰め)
第3章 メタモルフォーゼ(変容)
第4章 空間の構造
第5章 幾何学的なパラドックス(逆説)
第6章 依頼を受けて制作した作品
・作品解説(英文)
・M.C. エッシャーの年表
・主要参考文献
・作品リスト

監修/熊澤弘


【展覧会情報】  「エッシャー 不思議のヒミツ」
会場:佐川美術館 ≫
会期:2023年12月14日(木)~2024年2月25日(日)
会場:富山県美術館 ≫
会期:2024年4月27日(土)~2024年6月30日(日)
会場:豊田市美術館 ≫
会期:2024年7月13日(土)~2024年9月23日(月・祝)
※本書は本展の公式図録兼書籍です。

◆M.C. エッシャー
1898年、マウリッツ・コルネリス・エッシャー(M.C. エッシャー)は、オランダに生まれた。家には父が日本より持ち帰った浮世絵が多くあった。建築装飾美術学校での教師のメスキータの勧めもあって、グラフィックアートの道に転向し、版画技術の基礎を習得。奇想なトリックだけでなく、緻密で卓越した版画技術も評価されるエッシャーの基礎は学生時代に築かれたといえる。
画家としてデビューしたしエッシャーは、イタリアの地に魅了され、多作の時代を迎えた。1936年、ファシストの台頭によって前年にイタリアを離れたエッシャーは、スペインのアルハンブラ宮殿再訪を機に、幾何学模様に魅了される。テセレーション(ある形で隙間なく平面を敷き詰めること)作品を夢中で制作するようになる。その後、メタモルフォーゼ(ある形が次第に別の形へ変形する)作品や、空間構造の作品、錯視を取り入れた作品など、独自の世界観で、爆発的な人気を得るが、当時流行していたヒッピーによって、作品が自らの意図と違う形で解釈され、自身の作品を守るため、1968年に財団を立ち上げ、作品の保存・普及・保護に努めた。1972年73歳、癌を患いこの世を去る。

B5判 並製本 280頁(図版196点)

3,300 (税込)

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